阿修羅展に感謝
本屋さんの漫画文庫コーナーで、ある作品と再会することができました。
清原なつの『光の回廊』(小学館文庫)
この作品が雑誌…『ぶーけ』に掲載されたのは1988年のこと。
購読当時、感銘を受けたのに、雑誌は処分。
コミックスも買いそびれていたので、私の中では幻となっていた作品でした。
さて『光の回廊』ですが、物語の舞台は奈良時代、主人公は聖武天皇の皇后として名高い光明皇后です。
そして、この物語の中で重要な鍵を握っているのは、ただ今、東京に出張中の阿修羅像。
この阿修羅像を誰が作ったのか?
それが大きな意味を担っています。
清原なつのが描いた歴史漫画の傑作に『飛鳥昔語り』(ハヤカワコミック文庫)という短編があります。
こちらは、中大兄皇子…後の天智天皇によって欺かれた悲劇の皇子、有間皇子を主題にしたもの。
万葉集に残る「磐代の浜松が枝を引き結び 真幸くあれば また還り見む」と歌ったことで有名な皇子の物語。
清原なつのが描く歴史漫画は、かわいらしい絵で軽妙なテンポで描かれているけど、そこには悲しみがあります。
そして、ほんの少し、彼女独自の歴史解釈やフィクションが加わっている。
『飛鳥昔語り』には、それが清原なつの風のSF色という形で加わり、ラストで大どんでん返しがありました。
が、『光の回廊』の方では、本当にそういう歴史的事実ががあったかもしれない、そう思わせるものがあります。
その部分と言うのが、阿修羅像の制作にまつわる部分なんですが、内容は内緒にしておきます。
それにしても、この本が出たの、阿修羅展のお陰でしょうね。
阿修羅展が話題になった時、萩尾望都さんの『百億の昼 千億の夜』を思い出したのは当然だけど、実はこの作品のことも思い出していたんです。
もしかしたら、文庫版で復興するかもしれないって!
その願いが叶いました。
さて、20年ぶりに読んで、我ながらビックリしたこと。
話だけでなく画面も記憶通りの作品でした。
20年前って、これほどに記憶する力があったんですね~……。
これから先の記憶力に自信が持てないので、今回手に入った文庫本は大切に保管します!





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