「奇想の江戸挿絵」
この一月あまり、買うべきか否か、悩んでいた本をついに買っちゃいました。
辻惟雄・著「奇想の江戸挿絵」(集英社新書ヴィジュアル版)
悩んでいた理由は新書にしては、ちょい高の1000円(+税)だったからです。
借りて済まそうかな~なんて、考えていたんですが、買ってきて正解だったようです。
内容は、江戸時代の黄表紙本の挿絵に関する解説書。
が、図録されていた江戸挿絵が、実に斬新で、迫力もすごいものだったんです。
これ、絵を描く人、中でも、恐怖ジャンルの仕事をしている人には、一度、見て欲しいです。
買わなくてもいいから、まず、立ち読み(図版の立ち見)するべきだって思う。
けど、帯の言葉に寄れば、図版100点掲載ですから、買った方が早いけどね……。(で、結局、私は買っちゃった訳だ)
それにね、この本では江戸挿絵と現代の漫画やアニメとの比較、のようなものが論じられてました。
実際、この本を書くにあたって、「漫画家の江川達也氏には、マンガの技法、表現について、大変貴重なご教示をいただいた」(あとがきより)そうなんです。
でも、漫画に関しては素人の方が書いた比較論より、漫画家さんが各自で図録を読み解いた方が深いものが見えるんじゃないかしら?
ペンやスクリーントーンを使って描いた現代の漫画と、江戸時代の版木を刷った挿絵。
違いはあるけど、イマジネーションの部分では、大いに参考になると思うんです。
こんな技法が、この時代の絵師によって既に行われていたんだ……そんな感想を私ですら感じましたしね。
詳細な中身に関しては説明しきれないので、目次だけ挙げます。
はじめに 江戸後期挿絵の魅力
第1章 「異界」を描く
第2章 「生首」を描く
第3章 「幽霊」を描く
第4章 「妖怪」を描く
第5章 「自然現象」を描く
第6章 「爆発」と「光」を描く
第7章 デザインとユーモア
ほら、このラインナップです。
絵描きだけでなく、あやかし系がお好きな方も楽しめると思うんですよ。
それから、この本のありがたいところが、もうひとつ、あったんです。
各章の末に、図版として使われた絵を挿絵としていた本(話)のあらすじが載ってたんですよ。
そのあらすじを読むだけでも楽しめました。おまけに、ほとんどがあやかし系だったしね。
ねっ、お得でしょ。
それにしても、この本を買う時に、同著者が書いた「岩佐又兵衛 浮世絵をつくった男の謎」(文春新書)も見つけちゃって、その本も欲しくなっちゃったんだよね~。
ひとつの煩悩を消したと思ったら、また次の煩悩が……。我ながら、欲が尽きないのに呆れてます。
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